ネイルの巨大グローバルブランドが日本へ参入!ファンを魅了し続ける商品づくりの裏側

  • 大阪
  • DASHING DIVA JAPAN株式会社
  • 取締役法人長
  • Sa Jongbum
  • 史 鍾範氏

 

美容大国韓国に本社をおき、世界で展開するネイルブランド「DASHING DIVA(ダッシングディバ)」の日本法人として大阪を拠点に設立。公式サイトや楽天、Amazonほか、全国のバラエティーショップやドラッグストアなど約5,000店舗で商品を取り扱っており、世界累計販売数約5,100万個を売り上げる主力商品「MAGIC PRESS」をはじめ、人気商品を多数企画・販売しています。法人長を務める史鍾範(サ・ジョンボム)さんに日本法人の立ち上げから、圧倒的な市場シェアを誇り続ける理由、今後のビジョンなどについてお伺いしました。

 

日本参入でぶつかった壁を乗り越え、創意工夫から生まれた新商品

まずは、事業内容を教えてください。

2001年にニューヨークのポートワシントンに本社を設立し、高品質なネイルサロンを立ち上げたグローバルサロンブランド「DASHING DIVA」はニューヨークをはじめ全世界で運営しています。そのサロンのノウハウをもとに美しく革新的な製品をお届けするため、日々研鑽に努めて開発を行っております。 “誰でも簡単にプロ級のネイルができる”をコンセプトに、ネイルチップの「MAGIC PRESS」やネイルシールの「GLOW」、貼って固める半硬化タイプのジェルネイルシールの「glaze」を中心に販売しております。

日本人をターゲットに商品企画や市場調査する上で、海外との違いを感じられたことや苦労されたことなどはありますか?

当初は韓国で人気のデザインをそのまま日本で販売しておりました。ですが、国により好む色やデザインが異なるほか、グルーで装着する厚みのあるネイルチップでは商品のクオリティが低いため、色々と見直す必要がありました。 まずは日本人の爪のサイズの平均値を調査するとともに、日本の流行を把握するため、ネイルサロンで人気のデザインや爪の形の好みを地域別にデータ収集し分析しました。本社の研究所や企画チームと試行錯誤を重ねて、日本人にも受け入れられる商品の開発が進行しました。

 

日本人向けのオリジナルネイル商品開発までの軌跡

簡単に貼るだけで綺麗なネイルができる商品は画期的ですよね!特許も取得されていらっしゃるとお聞きしています。

「MAGIC PRESS」の両面テープはポストイットと同じ粘着剤を使用し開発しました。簡単に装着でき、日常生活をする上では1週間ぐらい持つように開発されています。品質も格段に良くなり、日々の研究の賜物だと思っています。

 

現在、どのぐらいの頻度で新商品を企画して発売されていますか?

年4回、季節ごとに新商品を発売しています。それとは別にハロウィンやクリスマスなどの大きなイベントがある時期に合わせ、アメリカ本社と共同で新商品を開発しており、企画から約6~8カ月の歳月を経て販売されています。

 

どのように新規デザインを考案されているのでしょうか?

現在、海外で流行したネイルデザインが日本でも流行する傾向にあります。各国の動向や過去に人気があったデザインを参考に本社のデザインチームと協議します。弊社のお客さまの年齢層が、韓国は20~30代前半が中心、日本は20代後半から40代であることも考慮し考案しています。また、日本のネイルサロンやネイリストのホームページやSNSを確認するなどのトレンド調査を定期的に実施しております。また、韓国人は派手なデザインや新商品を好むため、新商品を販売すると大きな反響がありますが、日本では定番のデザインや気に入った商品を長く愛用していただける特徴があります。

 

企業とのコラボレーション企画の商品もありますよね。

2022年にサンリオキャラクターズとのコラボレーションが実現しました。企画提案から約1年を費やし第1弾を発売し好評を博しました。現在はシリーズ第2弾を企画中です。日本らしさを表現した商品を作りたいと考えています。

巨大なネイル市場を持つグローバル企業の強みを生かした日本での挑戦

他社との差別化ポイントや、御社の強みはどこでしょうか?

弊社はアメリカ・韓国・日本・ベトナム・中国の5カ国に拠点をおくグローバル企業です。研究・デザイン開発・商品管理までを自社で一括し、技術や開発力のほか、特許取得に至るまでの様々なデータを保有しており、それらの情報を生かせることが最大の強みです。

 

逆に、今までピンチだったご経験はありますか?

日本はネイルサロンで施術をうけられる方や店舗で商品を購入される方が多い傾向です。他国とターゲット層も異なり、eコマースでネイルを楽しまれる方の割合が少数です。そのため、コロナの影響を受け、苦戦を強いられることがありました。ですが、このことをきっかけにセルフネイル市場が日本に定着したともいえます。

 

アメリカ本社のチームと協力し合い、他社を圧倒する商品開発に尽力

社内の制作体制(各部署の人数構成、業務分担など)について教えてください。

私を含めて16名が在籍しております。経験豊富な人材を確保するため中途採用で入社した社員が大半です。営業や財務・物流・VMDなどの部署があり、商品企画のうち1名はネイリストです。男女比は半々ですが、デザイナーや商品企画のほとんどが女性です。

働く上での魅力ポイントを教えてください。



デザインや商品企画は本社と連携する業務が多く、異文化を学ぶことができます。国が違うとスピード感や仕事の進め方が異なることもありますが、“お客さまにご満足いただける商品開発をする”という同じ目標に向け、円滑なコミュニケーションを構築し業務に邁進しています。
また、約1,500億円の売上高を誇るアメリカ本社では、ブランドごとに4つのデザインチームがあり、経験豊富な本社のデザインチームと業務を遂行することは、デザイナーにとって貴重な経験ではないかと思います。



採用ではネイルへの熱意を重視。チーム一丸の風土、成果は勤務時間内で



社内の雰囲気はいかがですか?



社員同士のチームワークを大事にしていて、風通しは良い方だと思います。弊社では“勤務時間内で成果を出す”という考え方をしていますので、残業はさせない方針です。



今後採用を考えていらっしゃる場合、求めるスキルや人物像があれば教えてください。



経験豊富な方はもちろん歓迎ですが、経験だけではなく、人間性やネイルに対する“熱い思い”が感じられる方を求めています。
実際に異業種からの転職者を商品企画に配属した実績があります。その方は以前、ホテルでフロント業務をしており、全くの未経験者です。美容に興味があり、心の底から好きだという思いに溢れていました。まじめな性格も評価し、熱心に取り組んでもらえると確信、採用に至りました。基本的にキャリア採用が大半を占めますが、20代で業界未経験の採用も積極的に行っており、今後は新卒採用も検討しています。



ネイルが日常に溶け込む文化になる日を願って

今後、どのような会社にしたいとお考えですか?



オンラインを強化しつつ、企画から生産まで一貫して日本で行うことや日本人女性の約2割が使用するセルフネイルブランドになることを目標にしています。特別な日にオシャレをして出かけるファッション感覚ではなく、毎日服装をかえるような身近な感覚でネイルを楽しんでいただける、新たなネイル文化が日本でも根付き浸透する事を願っています。

 

引用元:CREATORS STATION

https://www.creators-station.jp/interview/legends/189292